問題
ボイラーに空気予熱器を設置した場合の利点として、最も適切なものは次の うちどれか。
| 1. | ボイラーへの給水温度が上昇する。 | ||
| 2. | 乾き度の高い飽和蒸気を得ることができる。 | ||
| 3. | プライミングを防止することができる。 | ||
| 4. | 燃焼用空気の温度が上昇し、水分の多い低品位燃料の燃焼に有効である。 | ||
| 5. | サーマルNOXの発生を抑えられる。 |
回答
正解は(4)
1.ボイラーへの給水温度が上昇する。
→不適当
ボイラーへの給水温度を上昇させるのは、節炭器(エコノマイザ)の役割です。空気予熱器は、排ガスの熱を燃焼用空気に伝えます。
2.乾き度の高い飽和蒸気を得ることができる。
→不適当
蒸気の乾き度を高くする機能は、気水分離器の役割です。
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出典:仙台市ガス局
3.プライミングを防止することができる。
→不適当
プライミングとは、ボイラー水が激しく沸騰して水滴や泡が蒸気に混入する現象で、急激な負荷変動や水位の過昇が主な原因です。これを防止するには、気水分離器などの設置が必要です。
4.燃焼用空気の温度が上昇し、水分の多い低品位燃料の燃焼に有効である。
→正しい
空気予熱器は、ボイラーの排ガスが持つ熱を利用して、燃焼用空気を事前に加熱します。空気温度の上昇は燃焼効率を高め、特に水分の多い低品位燃料を使用する場合、燃料中の水分を蒸発させるのを助けるため、安定した燃焼を維持するのに非常に有効です。
5.サーマルNOxの発生を抑えられる。
→不適当
空気予熱器によって燃焼用空気の温度が上昇すると、燃焼温度も高くなります。燃焼温度が高くなると、大気中の窒素が酸化されて発生するサーマルNOxの生成が促進されてしまいます。
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