2級ボイラー技士 2024年(R6)4月-問7 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

ボイラーの吹出し装置について、適切でないものは次のうちどれか。

1.吹出し管は、ボイラー水の濃度を下げたり、沈殿物を排出するため、胴又はドラムに設けられる。
2.吹出し弁には、スラッジなどによる故障を避けるため、仕切弁又はY形弁が用いられる。
3.大形及び高圧のボイラーには、2個の吹出し弁を直列に設け、ボイラーに近い方には漸開弁を取り付ける。
4.小容量の低圧のボイラーでは、吹出しコックが用いられることが多い。
5.連続吹出し装置は、ボイラー水の濃度を一定に保つように調節弁によって吹出し量を加減し、ボイラー水を少量ずつ連続的に吹き出す装置である。

回答

正解は(3)

1.吹出し管は、ボイラー水の濃度を下げたり、沈殿物を排出するため、胴又はドラムに設けられる。
→正しい
吹出し管は、ボイラー水の濃縮を防ぎ(水質の調整)、缶底などに溜まった沈殿物(スラッジ)を排出することが目的です。そのため、胴や水ドラムなどの底部、あるいは水面付近に設けられます。

  • 底部付近に設ける吹出し装置を「間欠吹出し装置」といい、主に沈殿物(スラッジ)の排出を行います。
  • 水面付近に設ける吹出し装置を「連続吹出し装置」といい、主に濃縮の調整を行います。

2.吹出し弁には、スラッジなどによる故障を避けるため、仕切弁又はY形弁が用いられる。
→正しい
仕切り弁やY形弁は流路の抵抗が少なく故障しにくいため、吹出し弁に適しています。
対して、玉形弁やアングル弁などは、抵抗が大きいため故障の原因となります。

3.大形及び高圧のボイラーには、2個の吹出し弁を直列に設け、ボイラーに近い方には漸開弁を取り付ける。
→不適当
1MPa以上の高圧ボイラーの場合、事故防止のため種類の異なる吹き出し弁を二つ設けます。このときの弁を設置する順番ですが、ボイラーに近い側に急開弁、遠い側に漸開弁(ぜんかいべん)を取り付けます。(問題文では漸開弁が先になっています)

  • 急開弁:ハンドルを少し動かすだけで弁を全開、全閉にできる。
  • 漸開弁:ハンドルを何回か回さないと全開、全閉にできない。(ゆっくり開閉するということです)

ブローする場合は、まず急開弁を全開にしてから、漸開弁を徐々に開くことで安全に排出が行えます。

4.小容量の低圧のボイラーでは、吹出しコックが用いられることが多い。
→正しい
吹出しコックは、構造がシンプルでスラッジが詰まりにくく、全開・全閉が素早く行えるため、小容量の低圧ボイラーの吹出し弁として多く用いられます。

コック

5.連続吹出し装置は、ボイラー水の濃度を一定に保つように調節弁によって吹出し量を加減し、ボイラー水を少量ずつ連続的に吹き出す装置である。
→正しい
連続吹出し装置は、ボイラー水濃度が高い水面付近に設置し、ボイラー運転中に調整弁によって少量ずつ連続的に吹き出します。

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