2級ボイラー技士 2024年(R6)4月-問5 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

ボイラーのばね安全弁について、適切でないものは次のうちどれか。

1.安全弁には、揚程式と全量式がある。
2.安全弁の吹出し圧力は、調整ボルトを締めたり緩めたりして調整する。
3.弁体が弁座から上がる距離を揚程(リフト)という。
4.弁座流路面積は、弁体と弁座間の面積で、カーテン面積ともいう。
5.全量式安全弁は、弁座流路面積で吹出し面積が決まる。

回答

正解は(5)

安全弁は、ボイラー内の圧力が最高仕様圧力を超えて上昇するのを確実に防ぎ、爆発や破裂といった重大事故を回避するために設けます。
例えば、制御装置が故障するなど異常が発生した場合でも、自動で蒸気を外に逃がすことで、ボイラーを物理的な破壊から守ることができます。

1.安全弁には、揚程式と全量式がある。
→正しい
ばね安全弁は、弁体の上がり方によって、揚程式と全量式に分類されます。

2.安全弁の吹出し圧力は、調整ボルトを締めたり緩めたりして調整する。
→正しい
安全弁の吹出し圧力は、弁体を押しつけているばねの強さによって決まり、このばねの強さは調整ボルトを加減することで調整することができます。
以下の安全弁では、一番上についているキャップを外すと調整用のボルト(ネジ)が出てきます。

3.弁体が弁座から上がる距離を揚程(リフト)という。
→正しい
揚程(リフト)は、弁体が弁座から垂直に持ち上がる距離のことです。

4.弁座流路面積は、弁体と弁座間の面積で、カーテン面積ともいう。
→正しい
弁座流路面積は、弁体が持ち上がったときに弁座との間にできる隙間の面積で「カーテン面積」ともいいます。揚程式の蒸気吹き出し量は弁座流路面積で決まります。

5.全量式安全弁は、弁座流路面積で吹出し面積が決まる。
→不適当
全量式安全弁は、弁体が大きく持ち上がるため、弁座流路面積はのど部よりも大きくなります。そのため、吹出し面積はのど部によって決まります。

ヘタ・レイ

ばね安全弁には揚程式と全量式があり、全量式のほうが多くの蒸気を排出できると覚えておきましょう!

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