2級ボイラー技士 2023年(R5)4月-問9 過去問の解説【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

ボイラーの圧力制御機器について、誤っているものは次のうちどれか。

1.比例式蒸気圧力調節器は、一般に、コントロールモータとの組合せにより、比例動作によって蒸気圧力の調節を行う。
2.比例式蒸気圧力調節器では、比例帯の設定を行う。
3.オンオフ式蒸気圧力調節器(電気式)は、蒸気圧力によって伸縮するベローズがスイッチを開閉し燃焼を制御する装置で、機器本体をボイラー本体に直接取り付ける。
4.蒸気圧力制限器は、ボイラーの蒸気圧力が異常に上昇した場合などに、直ちに燃料の供給を遮断するものである。
5.蒸気圧力制限器には、一般にオンオフ式圧力調節器が用いられている。

回答

正解は(3)

1. 比例式蒸気圧力調節器は、一般に、コントロールモータとの組合せにより、比例動作によって蒸気圧力の調節を行う。
→正しい
比例式蒸気圧力調節器は、コントロールモータと組み合わせて比例動作で蒸気圧力を調整します。
具体的には、目標とする圧力と実際の圧力の差に応じて、燃料調整弁やダンパ(通風を調整する装置)の開度を調整することで蒸気圧力を一定に保つように動作します。主に中小容量ボイラーに用いられています。

比例動作:制御量と目標値との間の「偏差(ズレ)」の大きさに比例して操作量(ボイラーなら燃料供給量など)を変化させる制御方式

2. 比例式蒸気圧力調節器では、比例帯の設定を行う。
→正しい
比例帯とは、 比例式蒸気圧力調節器が出力を変化させる範囲(上限値と下限値)のことで、比例式調節器ではこの帯域の設定が必要です。

3. オンオフ式蒸気圧力調節器(電気式)は、蒸気圧力によって伸縮するベローズがスイッチを開閉し燃焼を制御する装置で、機器本体をボイラー本体に直接取り付ける。
→不適当
オンオフ式蒸気圧力調節器は、蒸気圧力によって伸縮するベローズがスイッチを開閉し燃焼を制御しますが、本体はボイラー本体に直接取り付けず、水を入れたサイホン管を用いて取り付けます。これは高温蒸気が調節器本体に直接触れて損傷するのを防ぐためです。

サイホン管
出典:長野計器

4. 蒸気圧力制限器は、ボイラーの蒸気圧力が異常に上昇した場合などに、直ちに燃料の供給を遮断するものである。
→正しい
蒸気圧力制限器は、蒸気圧力が異常に上昇した場合に燃料供給を遮断し、ボイラーの過圧による爆発や破損を防ぎます。

5. 蒸気圧力制限器には、一般にオンオフ式圧力調節器が用いられている。
→正しい
蒸気圧力制限器には、一般的にオンオフ式圧力調節器が使用されています。これは、蒸気圧力が設定値を超えた場合に、バーナの燃焼を遮断して蒸気圧力を制御するものです。

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