2級ボイラー技士 2023年(R5)4月-問8 過去問の解説【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

ボイラーの給水系統装置について、誤っているものは次のうちどれか。

1.ディフューザポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、高圧のボイラーには多段ディフューザポンプが用いられる。
2.渦巻ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のない遠心ポンプで、一般に低圧のボイラーに用いられる。
3.渦流ポンプは、円周流ポンプとも呼ばれているもので、小容量の蒸気ボイラーなどに用いられる。
4.給水逆止め弁には、ゲート弁又はグローブ弁が用いられる。
5.給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、ボイラーに近い側に給水弁を取り付ける。

回答

正解は(4)

1. ディフューザポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、高圧のボイラーには多段ディフューザポンプが用いられる。
→正しい
ディフューザポンプは案内羽根(ディフューザ)を持つ遠心ポンプで、高圧のボイラーには多段ディフューザポンプが使われます。
以下の画像はディフューザポンプのイメージです。実際に回転するのは中央にある羽根車(A)で、そのまわりに案内羽根(B)という回転しない羽根を設けているのが特徴です。
これによって、流体を特定の経路に沿って導き、損失を減らし、効率を高めています。

出典:キーエンス

2. 渦巻ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のない遠心ポンプで、一般に低圧のボイラーに用いられる。
→正しい
渦巻ポンプは案内羽根を持たず、主に低圧ボイラー、中小容量ボイラーに使われています。

出典:キーエンス

3. 渦流ポンプは、円周流ポンプとも呼ばれているもので、小容量の蒸気ボイラーなどに用いられる。
→正しい
渦流ポンプ(かりゅうポンプ)は、外周に放射状の溝をもつ円盤状の羽根車が回転し、遠心力と羽根車が生み出す渦の流れを繰り返し利用して加圧するポンプです。少ない水を高圧で送ることが出来るので小容量の蒸気ボイラーなどに使われます。(別名:円周流ポンプ)

過流ポンプ
出典:ニクニ

4. 給水逆止め弁には、ゲート弁又はグローブ弁が用いられる。
→不適当
給水逆止め弁とは、水は一方向にしか流れないように制御する弁です。(逆流を防止する)
ゲート弁は水の流れを遮断するために使われ、グローブ弁は水の流量を調整するために使われます。つまり、どちらの弁にも給水逆止め弁のような機能はありません。
給水逆止め弁には、スイング式またはリフト式の弁が用いられる。

仕切弁(ゲート弁)
出典:富士電機
玉型弁(グローブ弁)
出典:富士電機
出典:イシザキ

5. 給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、ボイラーに近い側に給水弁を取り付ける。
→正しい
給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合、ボイラー本体に最も近い側に給水弁を設け、その外側(給水側)に逆止め弁を設けます。
これは、仮に逆止め弁が故障した場合でも、給水弁を閉めておけばボイラーの中の水を残したまま逆止め弁の修理や交換ができるからです。

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