問題
ボイラーの水面測定装置について、適切でないものは次のうちどれか。
| 1. | 貫流ボイラーを除く蒸気ボイラーには、原則として、2個以上のガラス水面計を見やすい位置に取り付ける。 | ||
| 2. | ガラス水面計は、可視範囲の最下部がボイラーの安全低水面と同じ高さになるように取り付ける。 | ||
| 3. | 丸形ガラス水面計は、主として最高使用圧力1MPa 以下の丸ボイラーなどに用いられる。 | ||
| 4. | 平形反射式水面計は、裏側から電灯の光を通すことにより、水面を見分けるものである。 | ||
| 5. | 二色水面計は、光線の屈折率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色(青色)に見える。 |
回答
正解は(4)
1. 貫流ボイラーを除く蒸気ボイラーには、原則として、2個以上のガラス水面計を見やすい位置に取り付ける。
→ 正しい
水面計はボイラー内の水位を確認するための計器で、2個以上見やすい位置に取り付けます。
2個以上取り付ける理由は、水面計の故障などで片方が異常な数値を示した場合に、すぐにわかるようにするためです。
なお、貫流ボイラーはドラムを持たないため、水位という概念がないため水面計は不要となっています。
2. ガラス水面計は、可視範囲の最下部がボイラーの安全低水面と同じ高さになるように取り付ける。
→ 正しい
安全低水面とは、運転中に絶対に下回ってはいけない最低水位を指します。ガラス水面計の最下部がこの安全低水面と一致するように取り付けることで、危険な水位を確実に把握できるようになります。
普通に考えて安全低水面より上に付けたら危険なことは何となくわかりますよね。

3. 丸形ガラス水面計は、主として最高使用圧力1MPa 以下の丸ボイラーなどに用いられる。
→ 正しい
丸形ガラス水面計は、ガラス管が丸い断面を持つシンプルな構造で、耐圧性に限界があるため、主に1MPa以下の比較的低圧のボイラー(丸ボイラー)に使われます。
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出典:日本計器
4. 平形反射式水面計は、裏側から電灯の光を通すことにより、水面を見分けるものである。
→ 不適当
平形反射式水面計は、水位を白と黒の色の違いで水位を確認する仕組みですが、その際に裏から光を通す必要はありません。
水面計に使われているガラス板の裏側には、光を反射させるための細かい溝が刻まれています。
- 水がある部分: ガラスの裏に光が当たっても、光は水の中に吸収されるように進んでしまいます。そのため、外から見るとその部分は黒く見えます。
- 蒸気がある部分: ガラスの裏に光が当たると、溝の表面で光が鏡のように強く反射(全反射)します。そのため、外から見るとその部分は白く見えます。
このように、水の部分は黒、蒸気の部分は白と、色合いが大きく変わるため、ボイラーの正確な水位を簡単に読み取ることができます。
なお、問題文にあるように「裏側から電灯の光を通すことにより、水面を見分ける」のは、平形透視式水面計や、二色水面計の特徴です。
5. 二色水面計は、光線の屈折率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色(青色)に見える。
→ 正しい
二色水面計は、水と蒸気で光の屈折率が異なることを利用した水面計です。
裏側から電灯で照らすことで蒸気部は赤、水部は緑(または青)に見えるため、これにより水位を確認できます。
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出典:サワダ製作所


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