2級ボイラー技士 2023年(R5)4月-問4 過去問の解説【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

次の文中の( )内に入れるA及びBの語句の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
「暖房用鋳鉄製蒸気ボイラーでは、一般に復水を循環して使用し、給水管はボイラーに直接接続しないで(A)に取り付け、(B)を防止する。」

1.逃がし管 給水圧力の異常な昇圧
2.返り管 給水圧力の異常な昇圧
3.返り管 低水位事故
4.受水槽 低水位事故
5.膨張管 給水圧力の異常な昇圧

回答

正解は(3)

以下の画像は、暖房用鋳鉄製蒸気ボイラーの給水管の接続方法です。

ハートフォード式連法

この画像を参考に解説をしていきます。

A:どこに給水管を取り付けるか?
鋳鉄製ボイラーでは、給水管をボイラー本体に直接接続せず、返り管(復水が戻る管)に取り付けるのが原則です。

B:何を防止するか?
新しく給水される水は、すでにボイラー内部にある水(お湯)よりも温度が低いです。この低い温度の水をボイラーに給水してしまうと、ボイラー内部で温度の高い部分と低い部分が発生してしまい不同膨張を起こし、ボイラー本体の破損の原因となります。
そこで、給水管を直接ボイラーに接続せずに、蒸気が凝縮して再びボイラーの中に戻ってくる「返り管」に接続します。
これにより、新しい水と復水が混合されて温度差が生じることが無くなります。

不同膨張(ふどうぼうちょう):ボイラー本体の各部位で温度差が生じることにより、それぞれの部分の膨張・収縮の度合いが異なり、結果としてボイラー本体に大きな内部応力(ひずみ)が生じボイラー本体に破損に繋がる現象。

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