問題
ボイラーの伝熱面、燃焼室及び燃焼装置について、誤っているものは次のうちどれか。
| 1. | 燃焼室に直面している伝熱面は接触伝熱面、燃焼室を出たガス通路に配置される伝熱面は対流伝熱面といわれる。 | ||
| 2. | 燃焼室は、燃料を燃焼させ、熱が発生する部分で、火炉ともいわれる。 | ||
| 3. | 燃焼装置は、燃料の種類によって異なり、液体燃料、気体燃料及び微粉炭にはバーナが、一般固体燃料には火格子が用いられる。 | ||
| 4. | 燃焼室は、供給された燃料を速やかに着火・燃焼させ、発生する可燃性ガスと空気との混合接触を良好にして、完全燃焼を行わせる部分である。 | ||
| 5. | 加圧燃焼方式の燃焼室は、気密構造になっている。 |
回答
正解は(1)
1. 燃焼室に直面している伝熱面は接触伝熱面、燃焼室を出たガス通路に配置される伝熱面は対流伝熱面といわれる。
→ 不適当
ボイラーにおける伝熱面とは、炉筒、煙管、水管など燃焼ガス(熱源)の熱をボイラー水に伝えるための、熱交換を行う境界の表面全体を指します。当然ですが、伝熱面が大きいほどボイラーの能力は高くなります。
この伝熱面には、接触伝熱面と対流伝熱面があり、以下のように分類されています。
- 放射伝熱面:炉筒のような燃焼室に直面している火炎などから強い放射熱を受ける部分
- 対流伝熱面(接触伝熱面):煙管のように燃焼室を出た後の、高温のガスが通る部分
つまり、問題文では「接触伝熱面」を「放射伝熱面」に直せば正しい文章になります。
2. 燃焼室は、燃料を燃焼させ、熱が発生する部分で、火炉ともいわれる。
→ 正しい
燃焼室は、燃料を燃焼させて熱エネルギーを発生させる場所で火炉とも言われています。以下は立て煙管ボイラーのイメージですが、バーナーの横にあるのが燃焼室です。まぁ名前の通りですよね。
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出典:厚生労働省
3. 燃焼装置は、燃料の種類によって異なり、液体燃料、気体燃料及び微粉炭にはバーナが、一般固体燃料には火格子が用いられる。
→ 正しい
燃焼装置は、燃料の種類に合わせて設計されます。液体燃料や気体燃料、または微粉炭(粉状にした石炭)はバーナで噴霧・噴射されて燃焼します。
一方、石炭などの固体燃料は、火格子に載せて燃焼させます。バーベキューのときに使う「焼き網」と「うちわ」みたいに、格子(網みたいなもの)の上に燃料を載せて、下から空気を送ることで効率よく燃焼させることができます。

4. 燃焼室は、供給された燃料を速やかに着火・燃焼させ、発生する可燃性ガスと空気との混合接触を良好にして、完全燃焼を行わせる部分である。
→ 正しい
選択肢2にもありましたが、燃焼室は、燃料を燃焼させて熱エネルギーを発生させる場所です。そのためには、燃料がすぐに着火・燃焼できること、そして発生した可燃性ガスと空気が十分に混ざり合い、未燃焼ガスが残らないように完全燃焼させることが重要です。
5. 加圧燃焼方式の燃焼室は、気密構造になっている。
→ 正しい
一般的に燃焼室内を大気圧よりも高い圧力にする加圧燃焼方式が採用されます。この場合、燃焼室が密閉されていないと、圧力が逃げてしまうので密閉構造とする必要があります。
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