2級ボイラー技士 2023年(R5)10月-問7 過去問の解説【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

ボイラーのエコノマイザについて、適切でないものは次のうちどれか。

1.エコノマイザには、一般に鋼管形が用いられる。
2.エコノマイザ管には、平滑管やひれ付き管が用いられる。
3.エコノマイザ管は、エコノマイザに使用される伝熱管である。
4.エコノマイザを設置すると、ガス温度が低下するため、煙突によって生じる通風力が増加する。
5.エコノマイザは、燃料の性状によっては低温腐食を起こすことがある。

回答

正解は(4)

エコノマイザ(節炭器)は、ボイラーの排ガスの熱を利用して給水をあらかじめ温める装置です。 ボイラーで燃料を燃やすと、燃焼ガスとして熱が排出されます。この排ガスにはまだ多くの熱が残っているため、そのまま捨てると効率が下がってしまいます。
エコノマイザは、この熱い排ガスが流れる通路(煙道)の中に、給水を通す管(エコノマイザ管)を設けることで、排ガスの熱を水に移し、給水温度を効率よく上げる仕組みになっています。

出典;1級ボイラー技士試験

1.エコノマイザには、一般に鋼管形が用いられる。
→正しい
エコノマイザには鋼管形と鋳鉄管形があり、一般的には圧力に対する強度が高い鋼管形が用いられます。

2.エコノマイザ管には、平滑管やひれ付き管が用いられる。
→正しい
エコノマイザの伝熱管には、平滑な管や、伝熱面積を増やすためのひれ付き管が使われます。
以下はひれ付き管の写真です。ひれ付き管は、配管の周りに薄い金属の板が無数についており、これにより伝熱面積を増やし熱を効率的に回収しています。

出典:ZHANGJIAGANG HUA DONG ENERGY TECHNOLOGY 

3.エコノマイザ管は、エコノマイザに使用される伝熱管である。
→正しい
エコノマイザ管とは、文字通りエコノマイザ(節炭器)の中で、熱を伝える役割を果たす伝熱管のことです。

ヘタ・レイ

ようは、エコノマイザというのは排ガスを利用して給水を温めるシステムのことを示しており、その中の構成部品がエコノマイザ管というわけです。

4.エコノマイザを設置すると、ガス温度が低下するため、煙突によって生じる通風力が増加する。
→不適当
エコノマイザは伝熱管(給水が通る管)をボイラーの排ガスの通路(煙道)内に多数設置する構造のため、当然ですが何も無いときと比べて排ガスの通風抵抗は多少増加します。

5.エコノマイザは、燃料の性状によっては低温腐食を起こすことがある。
→正しい
給水などでエコノマイザの伝熱面が低温になると、排ガス中の硫黄分などが原因で低温腐食が発生することがあります。

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