問題
温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁について、適切でないものは次のうちどれか。
| 1. | 膨張した水を膨張タンクに逃がす場合、そのタンクに密閉型を用いる場合には、逃がし弁を取り付ける。 | ||
| 2. | 逃がし管は、ボイラーが高圧になるのを防ぐ安全装置である。 | ||
| 3. | 逃がし管には、途中に弁やコックを取り付けてはならない。 | ||
| 4. | 逃がし管は、伝熱面積に応じて最大径が定められている。 | ||
| 5. | 逃がし弁は、水の膨張により圧力が設定した圧力を超えると、弁体を押し上げ、水を逃がすものである。 |
回答
正解は(4)
1.膨張した水を膨張タンクに逃がす場合、そのタンクに密閉型を用いる場合には、逃がし弁を取り付ける。
→正しい
密閉型の温水循環システムでは、水の体積膨張を膨張タンクが吸収して圧力変動を抑えます。
しかし、何らかの異常で圧力が異常に上昇した場合、システム内の機器や配管の破損を防ぐための最終的な安全装置として、逃し弁を設置します。
この逃し弁は、ボイラー本体の保護や配管系の最高使用圧力を守るために、主にボイラー本体や配管上の適切な位置に取り付けられます。膨張タンクが日常の圧力調整、逃し弁が異常時の安全確保という、それぞれ異なる役割を果たします。
2.逃がし管は、ボイラーが高圧になるのを防ぐ安全装置である。
→正しい
逃がし管は高圧による事故を防ぐ安全装置です。圧力容器や配管内の圧力が設定値を超えた場合に、自動的に圧力を外部に逃がすことで、機器の破損や爆発を防ぎます
3.逃がし管には、途中に弁やコックを取り付けてはならない。
→正しい
温水ボイラーは、水を加熱すると体積が膨張します。密閉された空間で水が膨張し続けると、内部の圧力が急激に上昇し、ボイラー本体や配管を破損させる危険があります。
逃がし管は、ボイラーや配管内の水が熱膨張によって増えた分を、高所に設けた開放型膨張タンクへ逃がすための配管です。
そのため、途中に弁やコックがついていると正常に圧力を逃がすことが出来なくなるため、配管の途中に弁やコックを設けてはいけません。
4.逃がし管は、伝熱面積に応じて最大径が定められている。
→不適当
伝熱面積が大きいボイラーほど膨張量が多くなります。
そのため膨張分を確実に外部へ排出するために、逃がし管にいは最小径が決められています。
ヘタ・レイ逃がし管が「安全に膨張した圧力を逃がす」ことを目的にしているということがわかっていれば、管の最小サイズが設けらていることは何となくわかると思います。
管が小さかったら(極論を言えば爪楊枝みたいなサイズ)、適切に圧力を排出できませんからね。
5.逃がし弁は、水の膨張により圧力が設定した圧力を超えると、弁体を押し上げ、水を逃がすものである。
→正しい
逃がし弁は設定圧力以上で作動し膨張した水を逃がします。以下は逃し弁のイメージです。
内部にバネ(スプリング)が内蔵されており通常は弁が閉じています。しかし、弁の下部から規定値以上の圧力がかかってバネが押し上げられると、水の通り道ができて膨張した水を排出することが出来ます。
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出典:三協製作所

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