2級ボイラー技士 2023年(R5)10月-問5 過去問の解説【ボイラーの構造に関する知識】

  • URLをコピーしました!

問題

ボイラーの水面測定装置について、適切でないものは次のうちどれか。

1.貫流ボイラーを除く蒸気ボイラーには、原則として、2個以上のガラス水面計を見やすい位置に取り付ける。
2.ガラス水面計は、可視範囲の最下部がボイラーの安全低水面と同じ高さになるように取り付ける。
3.丸形ガラス水面計は、主として最高使用圧力1MPa 以下の丸ボイラーなどに用いられる。
4.平形透視式水面計は、ガラスの前面から見ると水部は光が通って黒色に見え、蒸気部は白色に光って見える。
5.二色水面計は、光線の屈折率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色(青色)に見える。

回答

正解は(4)

1.貫流ボイラーを除く蒸気ボイラーには、原則として、2個以上のガラス水面計を見やすい位置に取り付ける。
→正しい
水面計はボイラー内の水位を確認するための計器で、2個以上見やすい位置に取り付けます。
2個以上取り付ける理由は、水面計の故障などで片方が異常な数値を示した場合に、すぐにわかるようにするためです。
なお、貫流ボイラーはドラムを持たないため、水位という概念がないため水面計は不要となっています。

2.ガラス水面計は、可視範囲の最下部がボイラーの安全低水面と同じ高さになるように取り付ける。
→正しい
安全低水面とは、運転中に絶対に下回ってはいけない最低水位を指します。ガラス水面計の最下部がこの安全低水面と一致するように取り付けることで、危険な水位を確実に把握できるようになります。
普通に考えて安全低水面より上に付けたら危険なことは何となくわかりますよね。

3.丸形ガラス水面計は、主として最高使用圧力1MPa 以下の丸ボイラーなどに用いられる。
→正しい
丸形ガラス水面計はガラスを使用しているため強度が低く、最高使用圧力1MPa 以下の丸ボイラーなどに使用されます。

ヘタ・レイ

水面計で圧力の指定が出題されるのは丸型だけなので、1MPaという数字は覚えておきましょう。

4.平形透視式水面計は、ガラスの前面から見ると水部は光が通って黒色に見え、蒸気部は白色に光って見える。
→不適当
平形透視式水面計は、裏側から照明(電灯)で照らすことで、光がガラスを透過し、ボイラー内の水と蒸気の境界(水面)が確認できるものです。
ガラスの前面から見ると水部は光が通って黒色に見え、蒸気部は白色に光って見える。」という特徴をもつ水面計は、平形反射式水面計のことです。

平形反射式水面計については令和4年4月問6参照

5.二色水面計は、光線の屈折率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色(青色)に見える。
→正しい
二色水面計は光線の屈折率の差を利用し、裏側から光を照らすことで蒸気部は赤色、水部は緑色(または青色)に見えるように設計されています。

二色水面計
出典:サワダ製作所
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次