2級ボイラー技士 2023年(R5)10月-問10 過去問の解説【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

ボイラーの燃焼装置・燃焼安全装置に求められる要件について、適切でないものは次のうちどれか。

1.燃焼装置は、燃焼が停止した後に、燃料が燃焼室内に流入しない構造のものであること。
2.燃焼装置は、燃料漏れの点検・保守が容易な構造のものであること。
3.燃焼装置には、主安全制御器、火炎検出器、燃料遮断弁などで構成される信頼性の高い燃焼安全装置が設けられていること。
4.燃焼安全装置は、ファンが異常停止した場合に、主バーナへの燃料の供給を直ちに遮断する機能を有するものであること。
5.燃焼安全装置は、異常消火の場合に、主バーナへの燃料の供給を直ちに遮断し、修復後は手動又は自動で再起動する機能を有するものであること。

回答

正解は(5)

1. 燃焼装置は、燃焼が停止した後に、燃料が燃焼室内に流入しない構造のものであること。
→ 正しい
燃焼停止後に燃料が流入し続けると、未燃ガスによる爆発や火災の危険があるため、燃料の遮断が確実に行われる構造が求められます。
まぁ考えるまでもなく当たり前のことを言ってますよね。

2. 燃焼装置は、燃料漏れの点検・保守が容易な構造のものであること。
→ 正しい
燃焼装置からの燃料漏れは重大な事故につながるため、日常的な点検や保守が容易にできる構造であることが必要です。
選択肢1と同様に当たり前のことを言っています。

3. 燃焼装置には、主安全制御器、火炎検出器、燃料遮断弁などで構成される信頼性の高い燃焼安全装置が設けられていること。
→ 正しい
ボイラーの安全運転のためにこれらの装置を設ける必要があります。

  • 主安全制御器:燃焼異常などの危険を検知した際に安全スイッチなどを介してバーナを停止させる装置
  • 火炎検出器:バーナーの火炎を検出する装置
  • 燃焼遮断弁:ボイラー異常時に電磁石の吸引力でプランジャを動作させて、燃料供給を遮断する装置

4. 燃焼安全装置は、ファンが異常停止した場合に、主バーナへの燃料の供給を直ちに遮断する機能を有するものであること。
→ 正しい
ファンは燃焼に必要な空気を送るための装置です。
これが異常停止すると、燃焼に必要な空気が不足し不完全燃焼など燃焼不良の原因となるため、速やかに燃料の供給を遮断する機能が必要です。

5. 燃焼安全装置は、異常消火の場合に、主バーナへの燃料の供給を直ちに遮断し、修復後は手動又は自動で再起動する機能を有するものであること。
→ 不適当
異常消火(火炎が消えた場合)時には、燃料の供給を直ちに遮断することは正しいですが、修復後の再起動は「手動」に限られます。
再起動の判断を機械に任せてしまうと、まだ修復されていないのにボイラーが起動してしまい大きな事故につながります。
そのため異常発生時は必ず人の確認を経て再起動する必要があります。

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