2級ボイラー技士 2022年(R4)4月-問1 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】 

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問題

次の文中の(   )内に入れる( A )及び( B )の語句の組合せとして、正しいものは次のうちどれか。

「飽和水の比エンタルピは飽和水1kgの( A )であり、飽和蒸気の比エンタルピはその飽和水の( A )に( B )を加えた値で、単位はkJ/kgである。」

AB
1.潜熱顕熱
2.潜熱蒸発熱
3.顕熱蒸発熱
4.蒸発熱潜熱
5.蒸発熱顕熱

回答

正解は(3)

正しい文章にすると以下のようになります。

飽和水の比エンタルピは飽和水1kgの(顕熱)であり、飽和蒸気の比エンタルピはその飽和水の(顕熱)に(潜熱)を加えた値で、単位はkJ/kgである。

いくつか用語が出てきましたので解説します。

  • 顕熱:物質の温度を変化させる熱のことで、温度計で測定できる熱として認識できる。
  • 潜熱物質の状態変化(例:液体から気体、固体から液体)に関わる熱のことで、温度変化を伴わないため、温度計では直接測定できない。
  • 蒸発熱:液体が気体になる(蒸発する)際に必要な潜熱のことで、例えば水が沸騰して蒸気になる際に、水が周囲から奪う熱が蒸発熱です。
  • エンタルピ:物質が持っている熱エネルギー
  • 比エンタルピ:物質が単位質量あたりにもっているエンタルピ(単位:kJ/kg)
ヘタ・レイ

おそらく潜熱の考え方が難しく感じると思います。
水を温めると100℃で沸騰して蒸気になりますが、すぐに蒸気になるわけではなく、状態変化するためにさらに熱を加える必要があります。
このときに加える熱を潜熱(蒸発熱)といいます。

以下は、標準大気圧での水の温度と状態変化を図にしたものです。縦軸が温度となっており、100℃(飽和温度)になった時点で一度温度上昇が止まっていることがわかります。その後、さらに熱を加えていくと、蒸気になり再び温度が上昇していきます。

飽和温度とは、ある圧力の下で液体が沸騰し始める温度、または蒸気が凝縮し始める温度のことです。

ヘタ・レイ

上記の図の中にある、水1kgの飽和蒸気の比エンタルピ(2,676kJ/kg)は、飽和水の比エンタルピ(419kJ/kg)と蒸発熱(2,257kJ/kg)の合計
となっています。

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