2級ボイラー技士 2022年(R4)10月-問3 過去問の解説【ボイラーの構造に関する知識】

問題

超臨界圧力ボイラーに一般的に採用される構造のボイラーは次のうちどれか。

1.	貫流ボイラー
2.	熱媒ボイラー
3.	二胴形水管ボイラー
4.	強制循環式水管ボイラー
5.	流動層燃焼ボイラー

回答

正解は（1）

正解は 1. 貫流ボイラーです。

貫流ボイラーが採用される理由

1. 沸騰現象が消える

超臨界圧力では、水と蒸気の密度の差がなくなります。その結果、水が蒸発する際の気泡（沸騰）が発生しなくなります。

2. ドラムと循環機構が不要

• 通常、ボイラーには、水と蒸気を分けるための蒸気ドラムや、水を循環させるための機構（自然循環や強制循環）が必要です。
• しかし、超臨界圧力では気泡がないため、そもそも水と蒸気の分離が不要となり、これら複雑な循環機構やドラムを完全に省略できます。

3. 貫流構造との適合性

貫流ボイラーは、給水された水が一本の長い管を入口から出口まで一方向（貫流）に流れ、その過程で直接、超臨界状態の過熱蒸気へと変化します。

この「ドラム」が無く、「一方向の流れ」というシンプルな構造が、超臨界圧力環境（気泡がなく、水と蒸気の区別がない）の運転特性に完璧に適合しているため、高圧ボイラーに広く採用されています。