2級ボイラー技士 2021年(R3)4月-問8 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】 

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問題

ボイラーの給水系統装置について、誤っているものは次のうちどれか。

1.ボイラーに給水する遠心ポンプは、多数の羽根を有する羽根車をケーシング内で回転させ、遠心作用により水に圧力及び速度エネルギーを与える。
2.遠心ポンプは、案内羽根を有するディフューザポンプと有しない渦巻ポンプに分類される。
3.渦流ポンプは、円周流ポンプとも呼ばれているもので、小容量の蒸気ボイラーなどに用いられる。
4.給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、ボイラーに近い側に給水逆止め弁を取り付ける。
5.給水内管は、一般に長い鋼管に多数の穴を設けたもので、胴又は蒸気ドラム内の安全低水面よりやや下方に取り付ける。

回答

正解は(4)

1.ボイラーに給水する遠心ポンプは、多数の羽根を有する羽根車をケーシング内で回転させ、遠心作用により水に圧力及び速度エネルギーを与える。
→正しい
遠心ポンプは羽根車の回転で流体に遠心力を与えて圧力を高める方式で、ボイラー給水用として広く用いられます。羽根車とケーシングの組合せで圧力と流量特性を得ます。

2.遠心ポンプは、案内羽根を有するディフューザポンプと有しない渦巻ポンプに分類される。
→正しい
遠心ポンプは案内羽根を備えるディフューザポンプと、案内羽根のない渦巻ポンプとに分類されます。
ディフューザポンプは高圧・大容量のボイラーに、渦巻ポンプは低圧・中小容量のボイラーに用いられます。

3.渦流ポンプは、円周流ポンプとも呼ばれているもので、小容量の蒸気ボイラーなどに用いられる。
→正しい
渦流ポンプは、円盤型の羽根車が回転して渦を発生させて水に圧力を加えます。小容量の蒸気ボイラー等で用いられます。

ヘタ・レイ

同じ『渦』と言う字が入っていますが、渦巻ポンプ渦流ポンプがごっちゃにならないように気を付けてください!

遠心ポンプディフューザポンプ案内羽根あり。高圧・大容量ボイラーに用いられる。
渦巻ポンプ案内羽根なし。低圧・中容量ボイラーに用いられる。
渦流ポンプ円盤型の羽根車が回転して渦を発生させて水に圧力を加える。
小容量の蒸気ボイラー等で用いられる。
給水ポンプの種類

4.給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、ボイラーに近い側に給水逆止め弁を取り付ける。
→誤り
通常は給水ポンプ側に逆止弁(チェック弁)を設けて、ポンプ停止時にボイラーから逆流してポンプへ水が戻るのを防ぎます。給水弁(遮断弁)はボイラーに近い側に設けてボイラー側を隔離できるようにする配置が一般的で、問題文の取り付け位置の記述は逆になっています。

5.給水内管は、一般に長い鋼管に多数の穴を設けたもので、胴又は蒸気ドラム内の安全低水面よりやや下方に取り付ける。
→正しい
給水内管(内部給水管)は給水をドラム内に均等に分配するために穿孔された長管で、安全低水面よりやや下に取り付けて給水が適切に行われるようにします。

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