2級ボイラー技士 2021年(R3)4月-問5 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】 

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問題

鋳鉄製ボイラーについて、誤っているものは次のうちどれか。

1.蒸気ボイラーの場合、その使用圧力は1MPa以下に限られる。
2.暖房用蒸気ボイラーでは、原則として復水を循環使用する。
3.暖房用蒸気ボイラーの返り管の取付けには、ハートフォード式連結法が用いられる。
4.ウェットボトム式は、ボイラー底部にも水を循環させる構造となっている。
5.鋼製ボイラーに比べ、腐食には強いが強度は弱い。

回答

正解は(1)

1.蒸気ボイラーの場合、その使用圧力は1MPa以下に限られる。
→誤り
鋳鉄製ボイラーは熱による不同膨張や脆さのため高圧に不向きで、蒸気ボイラーでの使用圧力は0.1MPa以下に制限されます。

蒸気ボイラーの使用圧力の制限──0.1MPa以下
温水ボイラーの使用圧力の制限──0.5MPa以下

2.暖房用蒸気ボイラーでは、原則として復水を循環使用する。
→正しい
暖房用の鋳鉄製蒸気ボイラーでは、復水(凝縮した水)を循環して利用することが原則とされ、これによりスラッジの堆積防止や給水処理の簡素化が図られます。

3.暖房用蒸気ボイラーの返り管の取付けには、ハートフォード式連結法が用いられる。
→正しい
給水系と返り管の取付けにはハートフォード式(ハートフォードループ)が用いられ、定水位事故やボイラーからの過度な水流出を防止する配管法が採られます。

4.ウェットボトム式は、ボイラー底部にも水を循環させる構造となっている。
→正しい
ウェットボトム形はその名の通り底部にも水を循環させる構造で、伝熱面積を増やすために底部に水循環を設けた形態です。

5.鋼製ボイラーに比べ、腐食には強いが強度は弱い。
→正しい
鋳鉄は炭素含有量が高く脆性があり強度(引張・靭性)は鋼に劣りますが、一般に腐食(錆)に対しては鋼より有利な面があるとされます。

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