2級ボイラー技士 2021年(R3)4月-問3 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】　

問題

ボイラーの水循環について、誤っているものは次のうちどれか。

1.	ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して、水の循環流ができる。
2.	丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が困難なので、水循環の系路を構成する必要がある。
3.	水管ボイラーは、水循環を良くするため、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。
4.	自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなる。
5.	水循環が良いと熱が水に十分に伝わり、伝熱面温度は水温に近い温度に保たれる。

回答

正解は（2）

１．ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して、水の循環流ができる。
→ 正しい
ボイラー内では、温度が上昇した水や気泡を含んだ水が上昇し、その後に温度の低い水が下降して自然な循環流ができる。

２．丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が困難なので、水循環の系路を構成する必要がある。
→ 誤り
丸ボイラーは伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、自然対流が起こりやすい為、水循環の系路を特別に構成する必要はない。

３．水管ボイラーは、水循環を良くするため、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。
→ 正しい
水管ボイラーでは循環を良くするため、混合体が上昇する上昇管と水が下降する下降管を分けて設けている場合が多い。

４．自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなる。
→ 正しい
自然循環式水管ボイラーでは高圧になると蒸気と水の密度差が小さくなり、循環力が低下する。

５．水循環が良いと熱が水に十分に伝わり、伝熱面温度は水温に近い温度に保たれる。
→ 正しい
水循環が良好だと熱が効率よく水に伝わり、伝熱面温度が水温に近く保たれる。