2級ボイラー技士 2021年(R3)4月-問10 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】 

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問題

温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品について、誤っているものは次のうちどれか。

1.水高計は、温水ボイラーの圧力を測る計器であり、蒸気ボイラーの圧力計に相当する。
2.温水ボイラーの温度計は、ボイラー水が最高温度となる箇所の見やすい位置に取り付ける。
3.温水ボイラーの逃がし管は、ボイラー水の膨張分を逃がすためのもので、高所に設けた開放型膨張タンクに直結させる。
4.逃がし弁は、暖房用蒸気ボイラーで、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときの調節弁として用いられる。
5.凝縮水給水ポンプは、重力還水式の暖房用蒸気ボイラーで、凝縮水をボイラーに押し込むために用いられる。

回答

正解は(4)

1.水高計は、温水ボイラーの圧力を測る計器であり、蒸気ボイラーの圧力計に相当する。
→正しい
水高計は温水ボイラーの圧力を測る景気です。蒸気ボイラーの圧力計に相当します。

2.温水ボイラーの温度計は、ボイラー水が最高温度となる箇所の見やすい位置に取り付ける。
→正しい
温度計はボイラー水の最高温度を正しく把握できる箇所(吐出側や最も高温となる位置)に取り付けます。

3.温水ボイラーの逃がし管は、ボイラー水の膨張分を逃がすためのもので、高所に設けた開放型膨張タンクに直結させる。
→正しい
逃がし管は膨張した水を開放型膨張タンクへ導くための配管で、系内圧を過度に上昇させない目的で高所の膨張タンクに直結します(途中に弁・コックを設けてはならない点にも注意)。

ヘタ・レイ

余談ですが、密閉型膨張タンクを使用する場合は、膨張した水が解放されないので逃がし弁を直接温水ボイラーに取り付けます。

4.逃がし弁は、暖房用蒸気ボイラーで、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときの調節弁として用いられる。
→誤り
発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときの調節弁として用いられる』のは減圧弁です。入口側の圧力が高くても、出口側の圧力を一定に保つための弁です。
逃がし弁は、圧力が設定値を超えたときに余分な圧力を逃がす装置で、安全弁の一種です。
安全弁はボイラーなどの圧力機器を過圧から守るため、自動的に圧力を放出します。

  • 減圧弁──「最初から圧力を下げて安定させる」
  • 安全弁や逃がし弁──「圧力が危険な値まで上がったときに放出して守る」

5.凝縮水給水ポンプは、重力還水式の暖房用蒸気ボイラーで、凝縮水をボイラーに押し込むために用いられる。
→正しい
凝縮水給水ポンプ(凝縮水ポンプ)は、還水槽に集めた凝縮水をボイラーに加圧して押し込む装置で、重力還水式の系で用いられることがあります(真空給水ポンプなどと使い分けられます)。

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