2級ボイラー技士 2021年(R3)10月-問2 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】　

問題

水管ボイラーと比較した丸ボイラーの特徴として、誤っているものは次のうちどれか。

1.	蒸気使用量の変動による水位変動が小さい。
2.	高圧のもの及び大容量のものには適さない。
3.	構造が簡単で、設備費が安く、取扱いが容易である。
4.	伝熱面積当たりの保有水量が少なく、破裂の際の被害が小さい。
5.	起動から所要蒸気発生までの時間が長い。

回答

正解は（4）

１．蒸気使用量の変動による水位変動が小さい。
→正しい
丸ボイラーは水量が大きく、負荷変動に対して水位が安定しやすいです。

２．高圧のもの及び大容量のものには適さない。
→正しい
構造上、丸ボイラーは高圧・大容量には不向きです。

３．構造が簡単で、設備費が安く、取扱いが容易である。
→正しい
丸ボイラーは構造が単純で保守・運転が容易です。

４．伝熱面積当たりの保有水量が少なく、破裂の際の被害が小さい。
→誤り
これは水管ボイラーの特徴です。丸ボイラーは単位伝熱面積当たりの保有水量が多く、破裂時の被害は大きくなり得ます。

５．起動から所要蒸気発生までの時間が長い。
→正しい
保有水量が多いため昇温に時間を要します。

1.	構造が簡単、設備費が安価、取り扱いが容易
2.	高圧・大容量のものには適さない
3.	大きい胴に多量の水が入っているので伝熱面積当たりの保有水量が大きく、軌道から必要な蒸気発生までの時間が長い
4.	保有水量が大きいので、負荷変動に対して水位の変動が小さく済む
5.	保有水量が大きいので、破裂などの事故が起こった場合には被害が大きい