2級ボイラー技士 2021年(R3)10月-問1 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】 

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問題

伝熱について、誤っているものは次のうちどれか。

1.温度の高い部分から低い部分に熱が移動する現象を伝熱という。
2.伝熱作用は、熱伝導、熱伝達及び放射伝熱の三つに分けることができる。
3.温度が一定でない物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が伝わる現象を熱伝達という。
4.空間を隔てて相対している物体間に伝わる熱の移動を放射伝熱という。
5.高温流体から固体壁を通して、低温流体へ熱が移動する現象を熱貫流又は熱通過という。

回答

正解は(3)

1.温度の高い部分から低い部分に熱が移動する現象を伝熱という。
→正しい
伝熱(熱移動)の基本定義です。熱は自発的には高温部から低温部へ移動します。

2.伝熱作用は、熱伝導、熱伝達及び放射伝熱の三つに分けることができる。
→正しい
一般には「熱伝導・対流(=熱伝達)・放射」に大別します。

3.温度が一定でない物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が伝わる現象を熱伝達という。
→誤り
これは「熱伝導(物体内部の分子間相互作用による伝熱)」の説明です。熱伝達は、主に固体表面と流体の間で起こる対流による伝熱を指します。

4.空間を隔てて相対している物体間に伝わる熱の移動を放射伝熱という。
→正しい
真空中でも電磁波で熱が移動する現象が放射伝熱です。

5.高温流体から固体壁を通して、低温流体へ熱が移動する現象を熱貫流又は熱通過という。
→正しい
流体側の熱伝達と壁内の熱伝導を合わせた全体の熱移動を指します。

ヘタ・レイ

伝熱とは熱が移動する事ですが、その種類は以下の4つです。

①熱伝導熱伝導とは、物体の内部で温度の高いところから低いところへ熱が移動する現象です。
例:金属棒の一端を加熱すると反対側が次第に熱くなる現象
②放射伝熱高温の熱源から出た熱が、空間を隔てて移動する現象です。
真空中でも伝わるのが特徴で、媒質を必要としません。
例:太陽から地球への熱の伝わり方
③対流対流とは、流体の移動によって熱が運ばれる現象です。
流体の温度差による密度差で生じる自然対流と、ポンプやファンで強制的に流す強制対流があります。
例:沸騰したお湯がかき混ぜられるように循環すること
④熱伝達熱伝達とは、固体表面と流体との間で熱がやり取りされる現象です。
流体内の対流と熱伝導が組み合わさって起こります。
例:温かいスープにスプーンを入れるとスプーンが温まる現象が熱伝達
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