2級ボイラー技士 2024年(R6)10月-問10 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

ボイラーのドラム水位制御について、適切でないものは次のうちどれか。

1.水位の制御方式には、単要素式、二要素式及び三要素式がある。
2.単要素式は、負荷変動が激しいときは良好な制御が期待できない。
3.二要素式は、水位と蒸気圧力を検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式である。
4.電極式水位検出器は、蒸気の凝縮によって検出筒内部の水の純度が高くなると、正常に作動しなくなる。
5.単要素式には、ドラム水位の変化を偏差信号として給水調節器へ伝え、比例制御で弁の開度を変えるようにしたものなどがある。

回答

正解は(3)

ボイラーは運転中の様々な操作を機械によって自動で制御しており、その中の一つにドラム水位の制御があります。

ボイラーの自動制御に就いては令和4年4月問7参照

1. 水位の制御方式には、単要素式、二要素式及び三要素式がある。
→正しい
ボイラーのドラム水位制御は、制御に使用する検出信号の数によって、単要素式二要素式三要素式の3種類に分類されます。

  • 単要素式:ドラムの水位だけを検出し、給水量を調節する方式。
  • 二要素式:ドラムの水位と蒸気の流量を検出し、給水量を調節する方式。
  • 三要素式:ドラムの水位、蒸気の流量、給水流量を検出し、給水量を調節する方式。
ヘタ・レイ

検出する要素の数が多いほど正確な調節が可能になります。

2. 単要素式は、負荷変動が激しいときは良好な制御が期待できない。
→正しい
単要素式は、ドラム水位のみを検出して給水量を制御する方式です。
水位が減ってから給水が始まるため、負荷の変動が大きいときは水位変動が大きくなり、良好な制御が期待出来ません。

3. 二要素式は、水位と蒸気圧力を検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式である。
→不適当
二要素式は、ドラム水位と蒸気流量の2つを検出して、その変化に応じて給水量を調節する方式です。問題文では蒸気圧力となっているため、ここが誤りとなります。
なお、二要素式はドラム水位と蒸気流量の2つの要素を検出し給水量を調節するため、単要素式のように水位が大きく減る前に給水を行うことができるため、負荷変動の大きなボイラーにも適しています。

4. 電極式水位検出器は、蒸気の凝縮によって検出筒内部の水の純度が高くなると、正常に作動しなくなる。
→正しい
電極式水位検出器は、水が電気を通す(導電性がある)ことを利用して水位を検出します。水の純度(清浄度)が高くなると、電気抵抗が大きくなりすぎて電流が流れにくくなるため、電極が水位を検出できなくなり、正常に作動しなくなることがあります。

ヘタ・レイ

つまり、不純物が含まれている水のほうが電気を良く通すってことです。

電極式の水位検出器
出典:関西オートメイション

5. 単要素式には、ドラム水位の変化を偏差信号として給水調節器へ伝え、比例制御で弁の開度を変えるようにしたものなどがある。
→正しい
単要素式はドラムの水位変化だけを検出して給水量の調節をしています。その変化を偏差信号として給水調節器へ伝え、比例制御で弁の開度を変えるようにしたもがあります。

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