2級ボイラー技士 2024年(R6)10月-問8 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁について、適切でないものは次のうちどれか。

1.逃がし管は、ボイラーと高所に設けた開放形膨張タンクとを接続する管である。
2.膨張タンクには、タンク内の水位をみる験水管、オーバーフロー管などが設けられている。
3.逃がし管には、ボイラーに近い側に弁又はコックを取り付ける。
4.逃がし弁は、逃がし管を設けない場合又は膨張タンクを密閉形とした場合に用いられる。
5.逃がし弁は、水の膨張による圧力上昇によって、弁体を押し上げ、水を逃がすものである。

回答

正解は(3)

1.逃がし管は、ボイラーと高所に設けた開放形膨張タンクとを接続する管である。
→正しい
温水ボイラーは、水を加熱すると体積が膨張します。密閉された空間で水が膨張し続けると、内部の圧力が急激に上昇し、ボイラー本体や配管を破損させる危険があります。
逃がし管は、ボイラーや配管内の水が熱膨張によって増えた分を、高所に設けた開放型膨張タンクへ逃がすための配管です。

2.膨張タンクには、タンク内の水位をみる験水管、オーバーフロー管などが設けられている。
→正しい
膨張タンクには、適正な水位を維持するために、水位を視覚的に確認するための験水管や、規定の水位を超えた場合に外部に排出するオーバーフロー管などが設置されます。

3.逃がし管には、ボイラーに近い側に弁又はコックを取り付ける。
→不適当
逃がし管の途中に弁やコックを取り付けてはいけません。もし弁やコックを設けると、弁の誤操作や故障の際に圧力が逃げられずボイラー内の圧力が異常上昇し、重大な事故につながる危険があります。

4.逃がし弁は、逃がし管を設けない場合又は膨張タンクを密閉形とした場合に用いられる。
→正しい
逃がし管がない場合や密閉型膨張タンクを設けた場合、圧力上昇時に膨張した水が解放されないので逃がし弁を直接温水ボイラーに取り付けます。

5.逃がし弁は、水の膨張による圧力上昇によって、弁体を押し上げ、水を逃がすものである。
→正しい
逃がし弁は設定圧力以上で作動し膨張した水を逃がします。以下は逃し弁のイメージです。
内部にバネ(スプリング)が内蔵されており通常は弁が閉じています。しかし、弁の下部から規定値以上の圧力がかかってバネが押し上げられると、水の通り道ができて膨張した水を排出することが出来ます。

逃し弁
出典:三協製作所
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