2級ボイラー技士 2024年(R6)10月-問5 過去問の解説 【ボイラーの構造に関する知識】

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問題

ボイラーに用いられるステーについて、適切でないものは次のうちどれか。

1.管ステーは、鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。
2.管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、管ステーの端部を縁曲げする。
3.ガセットステーは、熱応力を緩和するため、鏡板にブリージングスペースを設けて取り付ける。
4.ガセット板を胴に直接溶接で取り付ける場合には、T継手の片側すみ肉溶接とする。
5.棒ステーは、棒状のステーで、胴の両鏡板の間に設けたものを長手ステー、鏡板と胴板の間に設けたものを斜めステーという。

回答

正解は(4)

1.管ステーは、鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。
→正しい
管ステーは、ボイラーの強度を上げる目的で一般に通常の煙管より肉厚な鋼管が使われ、管板へ溶接またはねじ込みで取り付けます。

2.管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、管ステーの端部を縁曲げする。
→正しい
管ステーの端部が燃焼ガスに直接触れると、温度が上昇しすぎて焼損する危険性があります。
そのため、ステーを管板に固定する際は、「ころ広げ」をしたあとに端部を「縁曲げ」します。

「ころ広げ」とは管板に穴を開けてそこに煙管を挿入した後、煙管の管径を広げて隙間をなくすことです。

3.ガセットステーは、熱応力を緩和するため、鏡板にブリージングスペースを設けて取り付ける。
→正しい
ガセットステーは板状の補強部材で、鏡板を胴で支える目的で溶接等により取り付けられます。
なお、炉筒も鏡板もボイラーの熱により伸縮するため、その伸縮を逃がすためにガセットステーの取り付け部と炉筒の間に隙間(ブリージングスペース)を設けます。

4.ガセット板を胴に直接溶接で取り付ける場合には、T継手の片側すみ肉溶接とする。
→不適当
ガセット板(ガセットステーに使われる板のこと)を胴板に溶接で取り付ける場合、T継手における完全溶け込み溶接とする必要があります。片側すみ肉溶接では強度が不足します。

5.棒ステーは、棒状のステーで、胴の両鏡板の間に設けたものを長手ステー、鏡板と胴板の間に設けたものを斜めステーという。
→正しい
棒ステーは平鏡板の強度を補うために用いる補強材で、胴の長手方向(両端の鏡板同士)に用いるものを「長手ステー」、鏡板と胴板の間に用いるものを「斜めステー」といいます。以下の画像を見るとイメージがしやすいと思います。

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